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人って何だろう?癒しって何だろう?セラピストになる前、こんなことを漠然と考えていました。それを問いかけ、追いかけ続けてきた結果、今自分がここに導かれているのだと思います。
この世の中には、本当に様々な療法があります。何がどう効くのかを知って、理解するのもむずかしいですよね。しかし、どれも違った視点から、違った方法でヒトの持つ“治癒力”を引き出しているのだと思います。 例えばお医者さんにかかっても、患者さんが自分の治癒力で自らを癒します。もらった薬で、ウイルスの活動を抑えて、それより治癒力が勝ると症状は快方へ向かいます。治る根本には、どうしてもこの治癒力が必要不可欠です。 セラピーでも同じです。私は、誰かが人を故意に癒すことはできないと考えています。クライアントが自分の治癒力で自らを癒すのです。セラピストとしてできることは、クライアント本人に、自らを癒す治癒力がもともと備わっているのを思い出してもらい、その治癒力を最大限に引き出すのをサポートすることです。私にできることは、クライアントの治癒力が発動するきっかけを共に作り出し、その過程を側にいて暖かく見守ることだけです。 そして、セラピストのもう一つの役割は、「健康で調和のとれた自然な状態」をクライアントに知ってもらえるようにサポートすることです。その状態とは、治癒力がうまく働いていて体がバランスを保っている状態です。 ロルフィング的に言いますと、慢性的な腰痛や頭痛を持たないバランスのとれた姿勢や動作がそれに当たります。バランスのとれた食事、睡眠もその一つです。心に過度なストレスを溜め続けない方法を知っていることもその一つです。自分の心身に耳を傾け、何が自分の健康バランスを保つのに良いかが分かるようになることもその一つです。こうした気づきがあり、心身全体が一つとして働いたとき、それが調和のとれた状態です。 この調和のとれた自分に気づいていく過程が癒しへの道なのです。それは、自分が自分自身に、やさしくなれるよう成長していく過程だと言い換えることができるかも知れません。 ただ癒しにもいろいろな手段やテクニックはありますが、それだけでは十分ではありません。やはり人が癒えるのは、人の温かさや愛情に触れるときだと実感します。そこから始まり、最後にはやっぱりそこに帰ってくるのだと思います。 もしも手に不思議な癒しの力があるとしたら、それは手のぬくもりから伝わる、人の温かさなのだと思います。命のぬくもりがもう一つの命に伝わったときに、力強く命の力が響くのでしょう。私はこの思いをずっと大切にしていきたいと思っています。 身体の気づきを通して、自分が本来持っていた生命の力を自分のものにし、そして各々の道を、自分らしく歩んでいってほしい、そう心から願っています。その癒しのプロセスに一緒に携わることができ、少しでもお役に立てればうれしく思います。
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